『おさえておきたい!小さな会社の採用成功のヒケツ!』第12回

全国の清掃会社の経営者の方が集まる「日本を磨く会」様が
毎月発行している会報誌の記事を執筆させていただきました。

▼日本を磨く会様のウェブサイトです。
https://migaku-kai.jp/

採用を行なう際に小さな会社が知っておきたいポイントを
全12回のシリーズでまとめています。
—–

『おさえておきたい!小さな会社の採用成功のヒケツ!』
シリーズ(3)「面接編」

・第12回:勘違い入社を劇的に減らす!業務体験のススメ

12回にわたって続けてきた『おさえておきたい!小さな会社の採用成功のヒケツ!』も
とうとう最終回となりました。第12回は面接編の締めくくりとして、採用フローにおける
「業務体験」について考えてみます。

一般的な採用フローでは、応募書類や面接を元に合否判断を行ない、入社可否を決める場
合が多いかと思います。しっかり見極めができれば良いですが、入社後数か月も経たないう
ちに、残念ながら辞めてしまうこともあるかもしれません。せっかく応募対応から面接、入
社後の研修などを行なったのに、戦力化する前に辞めてしまったら、今までかけてきたコス
トが全て無駄になってしまいます。

そこで、入社後のミスマッチや早期離職をなるべく減らすために、「業務体験」を採用フ
ローに取り入れることをおススメします。少々面倒だと感じるかもしれませんが、「業務体
験」の導入をおススメする根拠や「業務体験」を導入した場合のメリットについて考えてい
きますので、ぜひお付き合いください。

第5回『「選抜」を目的にしない。「やる気を出させる」採用プロセス』で、採用プロセス
の目的を「採用する候補者を集めて、選考と動機付けを行なって、自社で働きたいと思わせ
ること」と定義しました。採用プロセスにおいて「動機付け」は非常に重要です。

「動機付け」は、「自社で働けば自分のニーズが満たされると言うことを応募者に伝えるこ
と」です。この場合のニーズは、単純に「お金が欲しい」とか「手を抜いてラクしたい」と
かではありません。「役に立っている実感が欲しい」とか「もっと色々なことができるよう
になりたい」など、本人も意識していないことがニーズであると、第 2 回「お金のために働
く人はいない。改めて考える自社の魅力」のところで説明しました。ですから面接では、応
募者のニーズが満たされることを期待させることが最も重要なのです。

そんな面接の「動機付け」面の最大の演出が「業務体験」です。「面接の…」流れで行な
うことができるケースもあるでしょうが、実際には面接で合格した方のみ、別日程で「業務
体験」に参加してもらう方が妥当かもしれません。入社後に試用期間を設けるという会社も
あるかと思いますが、この「業務体験」は入社してもらうより前に実施することを想定して
います。入社する前に「業務体験」を行なうことで、「動機付け」の機会ができるのと同時
に、会社の業務内容を理解してもらい、入社後のミスマッチを防ぐ役割もあります。

入社してから数か月、早いと数日で退職する人が増えて困っていると聞くことが増えま
した。その退職理由は、「想像していた業務内容と違った」「社風が合わないと思った」など
が多いようです。その背景には会社や業務内容をあまり理解せず入社を決めていることが
大きな原因としてあるように考えられます。ICT の発展により、ウェブサイトなどで以前よ
りも簡単に会社の情報を収集しやすくなった分、あまり情報を精査せずにいる人も多いと
も言われています。

入社後、早期に退職してしまうと、入社に至らなかった場合に比べて多くの時間や手続き
が無駄になってしまうため、応募者に合わないと判断してもらうのであれば、早いに越した
ことありません。そのためにも、「業務体験」を行なうことで、「動機付け」と同時に、「会
社(業務)理解の促進」を行なう必要があるのです。

「動機付け」と「会社(業務)理解の促進」と二つのメリットがある「業務体験」。しかし、
こちらが意図しないものまで応募者が見聞きすることで、動機付けを大きく損なうことも
あり得ます。「業務体験」は効果が高い代わりに丁寧な準備がなくては大失敗につながる「諸
刃の剣」です。初見の応募者に見せることが望ましくないものを上げてみましょう。

従業員が叱責されている場面は高リスクです。事務所を訪問したら、責任者が従業員を怒
鳴り散らしている声が聞こえてくるのでは、身も蓋もありません。休憩時間であっても休憩
室で明らかにだらけている従業員も見せるべきではありません。休憩時間の従業員の会話
内容も要注意です。また、ミーティング風景も秘密漏えいのリスク以前に、やる気のない従
業員の様子を見て、応募者が不安に思ってしまうというケースも起こり得ます。

このように言うと、「どうせ日常で見ることになるのだから、業務体験に来た時から、そ
ういうもんだと知らせる方がよい」と反論する社長がいます。正論ではありますが、良い所
も知っているから悪い所も許せるようになるのであって、悪い所ばかり気付いていて好き
になることは普通ありません。好きな相手との初デートに普段のジャージ姿で行きつけの
ラーメン屋に行くようなものです。

私の師匠である合資会社MSIグループの市川正人が「業務体験」成功の秘訣としてお薦
めしていることが 6 つあります。(1)事務室に入れないこと。(内部から責任者が挨拶に登場
するなどの演出はあれば良いでしょう。)(2)ミーティングの参加を避けること。(3)業務体
験内容は事前に決め、誰がどこで何を説明するか決めておくこと。そして、(4)現場で、担
当者が業務体験に必要な決められた説明を行なうこと。(5)同じ現場へ行く従業員にも注意
喚起をきちんと行なうこと。(6)事務所や現場へ行く車両などの「整理・整頓・清掃」状態
は徹底することです。

面接の準備や演出と同様、業務体験に来た応募者へ伝える内容も事前に決めておき、やっ
てもらうことも準備しておきます。台本を作るなどして、スムーズに説明できるようロープ
レしておくことが大切です。仮に担当者の方が、付き添えなくなった場合のためにも、同じ
現場に同行する予定の従業員にもしっかりと伝えていくことも欠かせません。

説明の作業を分担することで、緊張感を持って全員が応募者に対応することができます。
社内の従業員全体で魅力ある会社を演出すること。これはお取引会社の方に対してだけで
はなく、求人応募者に対しても大事なことなのです。

ここまで、全12回にわたって、小さな会社で人材採用を行なう際の秘訣についてお話し
てきました。あくまでの基本的な原理となり、ターゲットを決めたり、募集の際のマスト要
件を決めたりするなど、会社によって個々に考えないといけないことは多数あります。

会社の萬屋 企画改善請負本舗では、小さな会社の人材採用を含めた経営の困りごとの
お手伝いをしております。人材に関してのお悩みや売上に関するお悩み、生産性に関するお
悩みなどの課題解決のご支援もおこなっております。従業員のやる気がなくて困っている、
売上を上げたいがどうすれば良いのかわからない、事務作業が面倒でもっと簡単にできる
ようにしたい、など、お困りのことがございましたら、相談料はもちろんタダ!で承ってお
りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事
PAGE TOP