『おさえておきたい!小さな会社の採用成功のヒケツ!』第9回

全国の清掃会社の経営者の方が集まる「日本を磨く会」様が
毎月発行している会報誌の記事を執筆させていただきました。

▼日本を磨く会様のウェブサイトです。
https://migaku-kai.jp/

採用を行なう際に小さな会社が知っておきたいポイントを
全12回のシリーズでまとめています。
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『おさえておきたい!小さな会社の採用成功のヒケツ!』 シリーズ(3)「面接編」

・第9回:「会社の印象を引き出す魅力的な応対の作り方」
前回の第8回までは「募集~応募受付編」と題して、求人広告を出し候補者を集めるまで
のプロセスにおいて知っておくべき、「動機付け」の重要性や自社のターゲットに合わせた
広告づくりやキャッチコピーの考え方についてお話しました。

今回から始まるシリーズ(3)「面接編」では、応募者と直接接触する場面において重要な
ポイントについて説明していきます。今シリーズ第一弾となる今回は、会社の印象を引き出
す魅力的な応対の作り方について考えていきます。

世の中で ICT 化が進む中、採用の分野においても作業を効率的にできるサービスや仕組
みがさまざま増えてきています。例えば、求人情報をスマホで探す方が急増し、今では多く
の応募がウェブ上の求人サイト経由で行なわれるようになりました。ICT 化が進み、以前よ
り効率的に採用活動ができるようになった現在でも、ウェブの求人サイトで応募した後の
日程調整や詳細の問い合わせなどは電話で対応することも多々あるかと思います。この電
話でのやり取りも、応対者の口調や言葉遣いなどの様々な要素で会社の印象を左右する直
接接触です。このような応募者との対応が必要な場面について考えてみたいと思います。

まず、応募者が抱く会社に対する印象がどのように形作られるか考えてみましょう。最初
は前回にも説明した「ビビッと来る言葉」が含まれている広告を見て、「あ、この仕事って
いいかも」と関心を持ちます。応募はウェブ上で簡単に行なうことができ、メールで応募完
了メールが届きます。会社の採用担当者からメールの返信が来ると、その後の日程調整は電
話で行なっている会社もあるかと思います。しかし、よほど転職に慣れていたり、電話応対
に慣れていたりしない限り、日程調整のためだとしても応募した企業へ電話するのは心理
的な抵抗が湧くものです。

たとえば、採用担当者から来たメールの文章がわかりにくく、自分が次にすべき行動が想
像しにくい、面倒くさいと感じるといった要因があるだけでも、応募者からのレスポンス数
はがくんと減ってしまいます。裏を返せば、それだけ、応募者が広告を見て電話をするまで
のプロセスには大きな心理的ストレスが存在しているのです。

そのストレスを乗り越えた応募者が電話した時に、電話口の対応がぞんざいだったり、話
がなかなか見えなかったり、保留されて長く待たされたりしたら、応募した時点では魅力的
に思っていた会社でも、その印象は急激に悪くなってしまうことでしょう。

心理学で「初頭効果」という言葉がありますが、それは、「最初に示された特性が記憶(印
象)に残りやすく、後の評価に大きな影響を与える」原理のことです。商品を販売する際に、
最も強調したい強みから先に伝えると良い印象を与え、購買行動につながりやすくなる、と
いった応用方法があります。以前、『人は見た目が 9 割』という本が話題になりました。採
用の場面における人間の印象にも当然適用することができます。この第一印象がその後も
変わりにくい状況は、求人広告を見た応募者が会社に対して抱く印象でも同じです。

このように応募者の会社への印象が形成される大事な電話応対にも関わらず、社員を採
用するプロセスの中で、電話応対を良くしようと心掛けているという話は残念ながらほと
んど聞くことがありません。

今時の電話応対なら、応答と同時に、「お電話ありがとうございます。株式会社□□、●
●が承ります。」などとテキパキと答えることぐらいは、全員できて当たり前です。応募者
は少々気後れして、「あの~。求人サイトで応募した者なのですが…」などと言うことでし
ょう。

「あ、そうですか。それでは面接の日程調整ですね、ちょっとお待ちください。(ウェブ上
の求人サイトの応募者管理画面を開く)じゃあ、お名前を聞かせてください。いつの日程を
ご希望ですか。」などと、いきなり用件に入っては絶対にいけません。まずは、「あ。そうで
すか。弊社にご関心を持っていただいて、ありがとうございます。」とまずは、お礼をきち
んと伝えましょう。心理的ストレスを感じながら電話した応募者は、それだけでも安心感を
抱くはずです。

その後、聞くべきことを聞き、伝えるべきことを伝えます。その際も、相手を褒めること
や、感謝を述べることを決して忘れないようにしましょう。たとえば、面接に来てもらう会
社までのルートなども、スマホで地図が簡単に見られるはずですが、それでも、会場付近の
わかりやすい目印を教えるような配慮が必要です。

話す内容ももちろん大事ですが、声のトーンを上げて話したり、ハキハキと話すことも大
切です。特に電話の場合、実際の声よりも低く聞こえる傾向があり、1 オクターブ上げて話
すのが良いとよく言われています。

電話対応をきちんとすれば、そのような応対が難しいと感じた応募者は、自ら辞退します。
その結果、このような対応に違和感が湧かず、「自分でもできそう」、「自分もできるように
なりたい」と思う良質な応募者が集まるようになります。聞くべきことや伝えるべきことを
漏れなくきちんと伝えるために、ロープレを行なう前の段階でまとめておくことも大切で
す。聞くべきことや伝えるべきことをしっかり把握した上で、声のトーンや話し方にも意識
を向けることができるようになるのです。このような電話応対を実現するためには、電話の
受付対応をする可能性のある従業員全員でロープレを行なう必要があります。
それが社員採用において組織の力を活かすことなのです。

ここまで電話での応募受付を想定しましたが、ウェブ応募に対するメールの返信でも原
理は変わりません。メールの文面や発信のタイミングなどに細心の注意が必要です。たとえ
ば、メールの場合、応募者が読んで次にとるべき動きがわかる、今後の選考の流れが具体的
に把握できる、丁寧な言葉遣いで書かれているなどが挙げられます。業務連絡のように用件
のみを記載するのではなく、電話対応の時と同じように、きちんと御礼を述べることも良い
印象を与えるメールだと考えられます。発信のタイミングも、早朝や夜中などはあまり好ま
しくありません。応募者にどう見られるか、どういう印象を与えるのかを考えて対応するこ
とが重要です。与えられる情報量が少ない分、直接対応する電話以上に意識して対応するこ
とが望ましいです。

今回は、直接対応する際に注意すべきポイントについてお話しました。次回は、応募者が
実際に来社して行なう面接の場面での注意すべき点について説明していきます。

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