『おさえておきたい!小さな会社の採用成功のヒケツ!』第8回

全国の清掃会社の経営者の方が集まる「日本を磨く会」様が
毎月発行している会報誌の記事を執筆させていただきました。

▼日本を磨く会様のウェブサイトです。
https://migaku-kai.jp/

採用を行なう際に小さな会社が知っておきたいポイントを
全12回のシリーズでまとめています。
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『おさえておきたい!小さな会社の採用成功のヒケツ!』
シリーズ(2)「募集~応募受付編」

第8回:「ターゲットを惹きつける優れたキャッチコピー」

前回の第7回では、求人媒体以外の求人方法を用いることで、ターゲットとなる人物像を絞り込んだ告知がしやすくなるとお話しました。

今回は優れた求人広告について考えてみます。求人広告がどれほど優れているかは、その反応の大きさで決まります。求人広告も広告の一種ですから、見る側の目を引き、見る側に反応させること、つまり、応募させることができなくてはお話になりません。

「目を引く広告作り」といった本やセミナーはよくあります。その手法を広告代理店に尋ねると、文字に加え写真や画像を多く使うこと、大きなサイズにすること、目立つ位置の広告にすることなどが説明されます。考えてみると、みな広告代理店が儲かる条件ばかりです。その条件を頭から信じ込む前に、第3回の「欲しい人をはっきりイメージする」のところで紹介した話をちょっと復習してみましょう。

「新聞を読んでいて、一面全部がカラーの広告と言うことがあります。多分、翌日には何が載っていたか覚えていないことと思います。では、親指の爪よりちょっと大きいような文字だけの記事があって、そこに競合会社の名前が書かれていたら、まさに、ビビッと目がとまりませんか」と、私がよく経営者の方に質問することがあるという話でした。

つまり、とても小さな記事であろうと、気になっていること、重要に思っていることなどであれば、きちんと目がとまるように、人間の目と脳はできているということです。逆に言えば、カラー写真を入れている大枠広告でも、関心がないものなら、どれほどカネをかけていても、記憶に残らないことになります。

この「ビビッと来るポイント」は、同じグループの人々の間でほぼ同じものになっています。

ある接客業のお店で、「なるほど。昼の主婦のアルバイトを雇いたいんですね。時給はちょっと抑え目にして、写真に主婦が制服で子供を抱いて、にこやかにしている写真を入れて、『託児所優先紹介・シフト設定柔軟対応・1日3時間から可』などとキャッチに書いたらどうでしょう」と、経営者の方に助言したことがあります。

応募して欲しい人材がどんなタイプの人かをまずきちんと意識して、その人が働く中で優先したいとこだわっているポイントを明確に意識できると、求人広告への応募はメキメキと伸びる筈なのです。

求人誌の紙面や、求人サイトの画面であれば、周囲に同じようなフォーマットの広告がずらりと並んでいます。出ている情報は写真一枚とキャッチコピーとあとは労働条件のみと言うのがほとんどだと思います。これでは、記憶に残るビビッと来る広告作りの余地はかなり限られています。

それなのに、労を惜しんで求人広告代理店任せで「他社もよくやっている無難なフォーマット」の求人広告を作っていては、自社の強みを伝えられないだけではなく、当たり前の労働条件の数字のみで他社と比較されるだけになりやすいことでしょう。

「広告の枠の面積が小さくて、所定の労働条件などの必須事項を書き込むのが精一杯」と言う経営者もいますが、安い小さな広告枠にして応募者ゼロの結果になるなら、伝えるべきポイントをきちんと言える広告枠を買って、応募者を獲得する方が良いのは言うまでもありません。(もしくは、前回の第7回で紹介した通り、求人広告によらない求人手法を試すということも考えなくてはなりません。)

どうしても、そのような小さい広告枠を使わざるを得ない場合には、自社のサイトやブログなどに、訴えたい自社の魅力や、それについての社員の実際の声などを載せた上で、求人広告からQRコードで求職者をそちらに誘導することも選択肢の一つです。

もちろん、自社サイトやブログを求人媒体として用いる場合も、ターゲットにビビッと来るキャッチコピーやメッセージが書いてあることが必要です。特に自社サイトは、広告と異なり、枠が決まっていないので、できる限りの魅力を伝えることが大切です。

いずれにせよ、自社が欲しいタイプの人材が「ビビッと来るポイント」を間違いなく伝えられること。これが優れた求人広告の必須要件なのです。

ここまでで、ターゲットにとって魅力的な求人広告の条件についてお話しました。それでは、具体的に「ビビッと来るポイント」をどう考えれば良いか、導き出すためのヒントについて考えていきます。
 
以前もお話しましたが、まずは「ターゲット」が明確になっていないと、この「ビビッと来るポイント」も考えようがありません。ターゲットが明確になっている前提で、そのターゲットが持っている「ニーズ」を考えていきます。どんな欲求を持っているのか、本人も自覚していないことがほとんどですから、ターゲットの人物像のイメージに近い人に聞いてもあまり意味を成しません。テレビドラマやアニメの登場人物のように、価値観や言動をイメージできるまで、ターゲットが明確になっていれば、そこからニーズを想像することができるのです。ニーズがわかれば、そのニーズを満たすようなキャッチコピーを考えていくことで、それが「ビビッと来るポイント」になります。

ある金属加工会社を事例として見ていきましょう。その会社は、在庫を一切持たず、完全受注生産をしており、一般的な製造業とは異なるビジネス・モデルです。また、全社員が金属加工の現場作業だけでなく、さまざまな業務を行なう「多能化」を進めており、20年近く前から社内勉強会を毎週実施するなど、社員育成にも非常に熱心な会社です。現場作業はもちろん、営業活動や社内システムの作成、新卒採用まで社員が行なっているのですが、取引先の会社を含め、周囲から見て、まさかその町工場の社員がそこまで色々できるとは想像すらしていないでしょう。その会社では、ターゲットを明確にした上でターゲットのニーズを満たすような、会社の強みを以下の通り考えました。
・「さまざまなスキルを身に着けられる環境であること」
・「柔軟に働ける環境であること」
・「育成体制がしっかりしていること」
ここに挙げたのは強みとして考えた一部にはなりますが、これらを元に、どうターゲットに魅力的に感じてもらえるかをイメージしながら、キャッチコピーなどを考えていくのです。

こちらはあくまでも事例ですので、自社の求人広告を出稿する際は、そのまま真似するのではなく、自社のターゲットに合わせて考えていかなければなりません。会社が違えば、アピールできることももちろん違いますし、ターゲットが違えば、その人にとって「ビビッと来るポイント」も異なるのです。

今回までの4回で、「募集~応募受付編」と称して、「「選抜」を目的にしない。「やる気を出させる」採用プロセス」「働く理由は人それぞれ。それに合わせた魅力ある広告づくり」「求人誌・求人サイト以外の有効な募集方法」「ターゲットを惹きつける優れたキャッチコピー」という内容について説明してきました。

次回からは「面接編」ということで、応募者と直接接触する面接の場面での知っておきたいポイントについてお伝えしていきます。次回はその第1弾として、「第一印象を決める最初の3秒」の重要性についてお話します。

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